チェリーの暮らし

日々の気になることつれづれ

映画謝罪の王様を見て発想が楽しくてとても楽しめた

「東京謝罪センター」黒島譲の元に届けられる謝罪の依頼。それは個人的な謝罪から、国家の存亡に関わるものまでさまざま。それらの案件を黒島が持ち前の謝罪テクニックを駆使して解決していくコメディです。
テクニックとは言え、黒島が行っているのは特段に難しいことではなく、誠意をもって謝っているだけだったりする。確かに相手の怒りをそらすような小細工は労するが、それもテクニックなどという大げさなものではなく、いたって常識的なことばかりだ。むしろ問題は、そのトラブルを引き起こす側の非常識さであり、古来からの美徳でもある謝罪の作法も現代の日本人は忘れてしまったのか、というクドカン流の嘆きが筆に現れています。
しかし、後半になるとエピソードの雰囲気が少々変わってくる。日本人には通用する謝罪の極意も、文化の異なる外国にとっては謝罪どころか、最大の侮辱になりかねないという逆説が描かれていくのだ。もちろん本作の本質はコメディなので、映画に登場するマンタン王国の流儀は多分にデフォルメされているが、突き詰めればそんなこと。
こちらは少しも悪くないのにひたすら謝る日本人の姿は少しもの悲しさも感じるが謝るという概念すらないお隣の国に比べるとはるかに精神的熟成度は高いのかもしれないです。